米国における雇用統計のより深い注目点
U-6の失業率
米国における雇用統計では一般的に U-3 の失業率が発表されます。
それ 以外の失業率で注目されるのがU-6の失業率です。 (U-6の失業率は失業者を一番広く捉えている失業率)
フルタイムを希望しているにも関わらず、希望の仕事に付けないためにパートタイムで働いている労働者も失業者として算出。
このU-6のデータは、、、、、
FRBが景気後退局面から景気回復局面に注目していたデータの一つ。
通常の失業率では見えてこない質も含めた本当の失業率を確認することができる。
景気後退局面に大きく上昇する傾向がある。
その後、どの程度低下したかに注目。
事業所調査分
事業所調査のデータは、、、、
雇用者数や賃金、労働時間に関するデータがメイン。
民間部門と政府部門に分けられるほか、
細かい業種に分けられた雇用者数の変化のデータが入手可能。
事業所調査の注目点
◼️民間部門の雇用者数の変化
雇用統計の発表直後は農業部門以外のトータルの雇用者数の増減である
非農業部門雇用者数変化の数値に注目する。
概要を把握するだけであれば、この数字のみでチェックできます。 景気後退時期などは雇用者数の増減が民間部門のものであるかどうかもしっかりとチェックする必要がある。
(政府部門の一時的な雇用増加(例えば、国勢調査など)で雇用者数が増えたとしても一時的なものとなり、景気回復の兆しとはならないことがある。)
民間部門のなかでも、業種ごとの雇用者数の増減に注目してみると面白い。
例、、、、、
特定の業種の結果に偏りがある場合は、その理由が明確で一過性なもの(天候によるもの等)によるものなのか、他の業種に派生する可能性があるものなのかを掘り下げて調べてみるということを行う。 一過性のものであれば、それが原因で市場が動いたとしても、長続きしない可能性が高いと考えることができます。
◼️平均時給、平均労働時間 平均時給や平均労働時間をチェックすることでも
労働市場の状況を把握することが可能。
平均時給の上昇率が高い推移が続くときは、労働者を確保するために、給料を高く設定する必要があったり、物価上昇を反映していたりといった理由が考えられる。
また、逆に賃金の上昇が物価上昇圧力となると考えることもできる
平均労働時間は労働者の稼働率と言い換えることができる。
景気後退局面から徐々に回復し、需要の増加に合わせ仕事が増えたときには、
経営者は、この状況が続くかどうかの判断は難しいため、まずは、従業員の労働時間を増やして対応する。(新たな従業員を雇う前に、現在の従業員に頑張ってもらう)
景気回復基調が続き、需要がさらに増え、現在、働いている従業員だけで本格的に回らなくなってくると、新たな従業員を雇い入れ、業務の拡大を狙うという流れになる。
景気後退期は、この平均労働時間で景気回復の兆しを探ることができる。労働時間が徐々に増えてきているという状況は人を雇い入れるまではいかないものの、仕事の受注が増え、忙しくなっている可能性がある。
景気回復の兆し、、、、、
平均労働時間の減少が続く場合は人が余っている。人員削減の可能性。
他のデータと併せて景気後退の兆しが増えているようであれば注意が必要。
米国雇用統計のデータは米国労働省のウェブサイトでチェックすることができる。
メニューの「Economic Releases」
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「EMPLOYMENT & UNEMPLOYMENT」
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「Employment Situation」の横の「HTML」をクリック
「PDF」はPDF形式のレポートを表示。
「Chart」は雇用統計の主要なデータをグラフ表示。
「HTML」をクリックすると、雇用統計の各データへのリンクページへ移行
一番上が全体のサマリー、次にAグループとBグループに分けたサマリー、
雇用統計に関する説明と続く。Aグループ、Bグループの詳細データ、
過去のデータはHTMLバージョンのレポートの下にある。
米国雇用統計のデータは、、、、
Aグループ(家計調査分)Bグループ(事業所調査分)に分類。。。。
Aグループ
A-1:性別、年齢ごとのデータ
A-2:人種別、性別、年齢ごとのデータ
A-3:ヒスパニック、ラテン系の性別、年齢ごとのデータ
A-4:25歳以上の学歴別のデータ
A-5:18歳以上の退役軍人の地位及び勤務期間、性別ごとのデータ
A-6:障害者の有無、性別ごとのデータ
A-7:出生地、性別ごとのデータ
A-8:就業形態とパートタイム労働者の詳細データ
A-9:労働者の年齢、性別、結婚、雇用形態等ごとの人数の分布
A-10:失業者の年齢、性別、結婚、雇用形態等ごとの人数の分布
A-11:失業理由ごとの失業者の分布
A-12:失業者の失業期間
A-13:職種ごとの就業者、失業者数
A-14:業種ごとの失業者数、失業率
A-15:失業率(U1-U6)
A-16:労働力に算入されない者、複数の従事者のデータ
Bグループ
B-1:産業部門ごとの非農業部門の雇用者数のデータ
B-2:産業別、平均労働時間、残業時間
B-3:産業部門ごとの平均時給と平均週給
B-4:産業部門別の給与インデックス
B-5:産業部門別の女性の雇用状況
B-6:作業員、非スーパーバイザー職の雇用者数
B-7:作業員、非スーパーバイザー職の労働時間、残業時間
B-8:作業員、非スーパーバイザー職の平均時給、週給
B-9:作業員、非スーパーバイザー職の給与インデックス
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